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GPT-5登場で再考する「AI時代の人間の役割とは?」−求められる5つの力−

  • kentakk14
  • 8月10日
  • 読了時間: 6分

GPT-5は、ついに「人間を超える性能」「博士号レベル」と評されるまでに進化しました。思えば、GPT-4の公開からまだわずか2年ほど。

進歩のスピードは想像以上です。

 

AIの進展を追っていると、時に無力感を覚えます。今もハルシネーションは起こるものの、それらも遠からず克服され、プロンプトの意図を完全に理解したような回答が当たり前になるでしょう。

もしかすると、その未来はもうすぐそこに来ているのかもしれません。

 

やがて、AIはあらゆる場面で頼られる存在となり、「では、人間は何をするのか?」という問いが迫ってきます。

これは単なる哲学ではなく、これからの生き方や教育に直結する問題です。

 

そこで今回、AI時代における人間の役割を5つに整理し、その役割を果たすために必要な力を養う教育のあり方について考察しました。

 

AI時代における人間の5つの役割


問いを立てる

AIを何のために使うか、何を質問するか、何を課題だと考えてAIを使うかによって得られるものが大きく変わります。

生成AIの出力の質はプロンプト次第な所があるため、「問いを立てる」ことがAIとの共存には重要となってきます。

この問い立て自体をAIが行う時代もおそらく到来すると思いますが、それまではこの問い立ての力によって生成物の差がはっきりと出ます。

 

価値判断をする

例えば「利益を最大化」することが正しいのか、「便利さ」と「人間らしさ」をどちらに寄せるか、生成物の良し悪しを判断するなど、こうした価値判断は人間の役割といえます。

その価値判断を下すためには倫理観を備えておく必要もあります。

 

創造する

ここでの創造は一種の型破りな創造です。

AIは過去のパターンを学習しているため、規則的な組み合わせなどは得意です。

しかし、これまでのパターンとは異なる人間の感性による創造物を作り出すことは難しいのです。

これは私の主観的な想像ですが、今後はAIの生成物が世に溢れかえるはずです。人々はAIの作り出す無駄なく美しい作品に酔いしれる一方で、人間らしさを求める層が一定数現れるはずです。常識では考えられないような創造性はより高く評価されるのではないかと思います。

 

共感し、情緒的なサポートをする

今、物心がついて生命活動を行っている世代は「AI=心がない」ことを理解しています。

そのため、AIの共感よりも人に共感してもらう方がおそらく心が動くはずです。

(このあたりは、Xの「Keep4o」運動でやや自信がなくなりましたが…)

人を動かしたり、支えたりとサポートする役割として、人間として大きな役割があるのではないでしょうか。

 

批判する

これは批判的思考に関わることです。AIが普及していくことにより、情報の真偽を見抜くことがより難しくなっていきます。使用するAIによって回答も当然変わります。

例えば、そのAIのスポンサー企業の商品ばかり勧めてくるなど新たな広告ビジネスも考えられますよね。

どうしてもAIは開発者の意図が入ります。もしくは開発者が意図しない所で誤った回答や導き方をするかもしれません。

このとき、根拠や理由を確かめながら客観視して判断を下す必要があります。

 

代表的だと感じた5つを挙げました。

しかし、これもAIのモデルチェンジによって変化していきます。これまではファクトチェックが必要だと強く思っていたのですが、今回のGPT-5はハルシネーションが抑えられています。

これから登場するモデルによって人間の役割も変化していく可能性があります。

 

今の学校教育でできることとは?


問いを立てる力をつけるには?

例えば、理科では生活体験や観察から問いを見つけていきます。社会では資料から問いをつかんでいきます。こうした問いをつかむ活動を重視し、問いを共有することで言語化し、複数の視点を得ることで、多角的に考える力を養います。

また、探究学習や総合的な学習の時間において、自分の関心のあるテーマについて問いを何度も設定しながら探究していくことが必要でしょう。

しかし、子どもたちがこのように問いを立てるためには、理科であれば体験活動を充実させる必要があり、社会であれば問いを引き出す資料選定が欠かせません。知識や経験を広げることを意識する必要があるでしょう。

 

価値判断をする力をつけるには?

各教科の授業で子どもたちはあらゆる選択すると思いますが、その際には理由や根拠を明確にして判断することを求めていきます。

立場を変えてディベートに取り組むこともいいでしょう。

実際のデータや事例を使うことで感情だけでなく根拠を持った判断力を養うことを狙います。

 

創造性を高めるには?

創造性を高めるために、子どもたちの発想を否定せずに受け入れることで自由な発想を引き出しやすい環境を作ります。

私もそうですが、つい型にはめてしまいがちなので、気をつけたいところです。

ただし、自由に考えさせると困ってしまうため、いくつかの条件を提示することがポイントです。

 

また、教科横断的な学びを意識することも大事です。異なる分野の知識を関連づけて新しい気づきを得る体験をすることで発想の幅が広がり、複合的に考える力がつきます。

カリキュラムマネジメントは皆さんも意識されていると思いますが、学習事項を教科間で繋げていくことをより重視したいですね。

 

共感力を高めるには?

協働的な学習を取り入れることです。

近年は1人1台端末により1人で学ぶことが増えていますが、1人学びと2人学びを組みわせるなど、集団学習の良さは活かしていく方がいいでしょう。協力せざるを得ない、やや難易度の高い課題を提示するなど交流が生まれる仕掛けることも1つです。

 

今はゲームやSNSの普及により、学校外において友だちと直接対面して関わることが減っているため、学校での交流を大切にしたいですね。

また、人の気持ちを考える機会として道徳や特別活動も関わってきます。

 

批判的思考を養うには?

国語において、2つの文章を読み比べて立場や表現の違いに気づかせることや社会で複数の資料を比較して整理していくことで情報を読み取る力や多角的な視点を養います。

また、算数ではデータやグラフの解釈の違いを見つけることや、理科では実験、観察結果に基づいて考察することを通して、根拠をもとにして考えることや判断する経験を積みます。

さらに、情報活用能力に関わる授業で誤情報を見抜く練習も有効でしょう。

子どもたちが頻繁に使う動画配信サービスやSNSにも誤情報は流れているため、現実感の伴った学習となります。

 

これからは教育も急速に変化していく?


学習指導要領は10年に一度改訂されています。

しかし、今のAI技術の進歩の速さを見ていると10年経つと社会が今まで以上に様変わりしていると思います。教育は1年で結果が出るようなものではありません。長いスパンで見なくてはなりません。そのため、10年後もおそらく必要であろう力を見定めて教育を行っていく必要があります。ただ、この前提はAIの進歩によって崩れたり、変化したりします。

私たちはドシっと構えて教育するというよりは、柔軟に対応していくことが求められるような気がしています。私自身、頑固なところがあるので気をつけていきたいと思います。

 

いかがでしょうか。皆さんのお考えも是非お聞きしたいと思います。

 
 
 

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